リボン雑感(王子と王女と愛ちゃんと)

以前に(http://d.hatena.ne.jp/tenten-chama/20060816/p3)、娘。達の演技が変わってきてるということを書きましたが、その時にあえて触れなかったのが愛ちゃんの変化です。


わかりやすいところでは、スカウトのシーンでの「おかま」サファイアでしょうがw、僕がまず違和感を感じたのは王女Verサファイアの低年齢化、というより「高橋愛化」でした。
亜麻色の髪のカツラを着けて舞踏会に参加すれば決して身分はバレないと王妃に言われ、「本当に?本当の本当に??…嬉しい、お母様早くぅ!!」というシーンがありますが、妙に幼稚なサファイアになってしまってそれまでのイメージとの違和感を感じていました。そして、僕にはそれはとても「愛ちゃんっぽくなったなぁ」と思われたのです。


ちなみに最近の「おかま」サファイアはやり過ぎだと思います。
確かに笑いは取れるんだけれど、笑いと演劇とのバランスが崩れちゃう様な気がして。
以前くらいのもう少し抑えた「おかま」に戻ってくれると良いんだけどなぁ。


まぁそういうのも含めてですけど、愛ちゃんってのは不思議な子でもうすぐ20歳になる立派な女性なのに、時になんだこれはってくらい幼い印象を受ける時があるんですよ。それがたまらない魅力でもあるんですけどね。


サファイアは男と女の2つの魂を持って生まれたことで、愛ちゃんはその2面性を演じ分けなければならないという大変難しい役所に挑戦しています。そして、その結果はとても素晴らしいものです。


だけれども、実はこの「2つの魂」は2通りの演技だけで表現が済まされるものではありませんでした。
王女の姿で王女の心を持ったサファイア。王女の姿だが王子の心を持ったサファイア
王子の姿で王子の心を持ったサファイア。王子の姿だが王女の心を持ったサファイア
それらが刻々と複雑に変化していくのです。
さらに、公演を重ね役が身に入っていくうちに愛ちゃんの片鱗らしきものも見えてきます。


麻琴達他の役者が公演を重ねるに連れ役が練れてきているという印象を受けるのに対し
愛ちゃんは僕の中でもはや混沌を増すばかりですw。


しかし、ひとつだけはっきりしていることがあります。
それは最後の告白のサファイアは性別に関係なく、ただ「フランツ王子を愛する人」であること。
そこがぶれない為にこのシーン、ひいてはこのミュージカルは成功することを約束されているのだと思うのです。