フランツ王子

ハロプロを代表する3人のDIVA(w)が演じるフランツ王子。
当初からどのような違いを劇にもたらすかが注目の的だったわけですが、
…個人的には意外な結果となりました。


まずオリジナル&のんちゃんゲスト公演でフランツ王子を演じた梨華ちゃん
初日、6日昼夜、7日夜のんちゃん初日と4回も、一番最初に、一番数多く見たからかもしれませんが
梨華ちゃんのフランツ王子が一番良かったと感じています。


確かに歌には不安定な要素が多いのですが、発声は負けてませんし。梨華ちゃんのイメージよりは全然上手かったですしねw。はっきり言って驚きました。
なによりフランツ王子になりきる力が一番強いのが梨華ちゃんだと思います。
http://ja.tezuka.co.jp/news/special/200605/topix01.html
虫プロの木村さんへのインタビュー記事ですが文中にこうあります。
『一例をあげます。本読み稽古の際、フランツ王子を演じる石川くんという出演者が、自分の声の高さを心配していました。しかし声が高くても、懸命に王子の心に成り代わることで、物語として充分に立ち上がってくるものがありました。』
この【懸命に王子の心に成り代わる】ことが劇中でも梨華ちゃんの本気の涙を誘い、観客の情感に訴えるのだろうと思うのです。
歌は確かにアレだけどw、気持ちで何とかしちゃうところがいかにも梨華ちゃんらしいです。
僕は初め梨華ちゃんの登場で笑ってしまったのですが、その後梨華ちゃんの演技に引き込まれ、梨華ちゃんがフランツ王子に見えてきたのでした。


この予想以上の梨華ちゃんフランツに、俄然期待を高めたのがなっちフランツでした。
僕は3人の中で一番フランツ王子がはまるのはなっちだと思っていたのですよ。
…ところが、「あれれ?」と期待は失望に変わってしまったのです。


なっちは「なっち」にしか見えませんでした…。
まず、演技がいつものなっちなんですよ。
江戸っ子忠臣蔵とか、いつもの娘。ミューをやってるときのなっち。
他のメンバーがミュージカルの発声でミュージカルの演技をしている中でなっちだけが今まで通りなんで妙に違和感があったのです。そのとき思ったのが、梨華ちゃんが「ミュージカル」ならなっちは「演劇」って感じかな。ということなのですが。
木村さんが「 必要なのは基礎訓練のみです。」と言っていたのは、こういう事だったのかと実感しました。
それが一番表れたのが三騎士のシーン。
なっちは確かに歌の表現力とか、歌の音程の取り方とかは梨華ちゃんより上手でした。
でもその後に出てきた2人に比べて、発声の点で見劣りしちゃったんです。
これは自分にとって一番衝撃的なことで、強く印象に残るシーンでした。


と、なっちに対して否定的なことを書いてしまいましたが
一つ、きちんとさせておかなければいけないことは「あくまでもミュージカルの観点でみている」ことです。
基礎が足りないというのはあくまで「ミュージカル」をやるにはなんですよね。
ガールズポップをミュージカル風に歌ったら、それは逆に変なものになっちゃうでしょ?
事実、ライブで「ストレス」を歌うなっちはなっちワールド全開でしたし、すごく良かったですよ。


あと、あまりに梨華ちゃんが期待以上の出来だったので、なっちに対して期待の振り幅が大きくなりすぎていたのかもしれないですね。で、必要以上に失望している部分もあるのだと思います。


さて、そんなわけで梨華ちゃん、なっちの後にあややのフランツ王子を見たわけですが
良かったのか、悪かったのかといえば…。
ビミョーでしたw(評価としては)。


歌声は3人の中で一番だと思います。
発声もしっかりしてるし、低音からきちんと音程も取れてるし。
でもあややもやっぱり「あやや」以外の何者にも見えなかった。


梨華ちゃん「ミュージカル」、なっち「演劇」ときて、あややは「TVドラマ」といったところでしょうか。
感情は込めようとしてるんだけど、その方法がミュージカル的ではなかったかなと。
演技が大仰というかな。すこしバタクサイ感じがしました。
あとせっかく歌では低音を出せているのに、演技では地声に近くキャーキャーしてて、王子様にはちょっと遠かったです。


逆に言えば、あややもなっちも、それ以外ではありえない強烈なキャラクターの持ち主と言えるかもしれませんね。
元々実力は折り紙付きの二人ですから、次の出演公演までにどう仕上げてくるのかが楽しみであります。


最後にところどころで、あやや、なっちと梨華ちゃんの練習時間が違うのではという意見を見るのですが、僕自身はこの意見には賛同しかねます。
なぜなら、あやや、なっちと同様に、梨華ちゃんも春はごっちんキャプテンコンのツアーをまわり、さらにスケバン刑事のロケを行い、堂本兄弟ミュージックフェアに出演し、あまつさえ夏ハロに参加している。
事務所のスケジューリングがどうなってるか知りませんが、客観事実としては梨華ちゃんも多忙なはずなんです。
そこであれだけのものを作ってきてるんだから、やっぱ梨華ちゃんは凄いなと思う事しきりなのです。