前段

まず軽くおさらい。
取り上げた話題はハローから離れて、奈良県で起きた『妊婦たらい回し流産事件』。
あ、この事件名は今ちゃまが付けたモノですけど。第一報から『たらい回し』『流産』とセンセーショナルな言葉が使われ、医療側の怠慢、救急体制の不備といった印象を読む側に誘導させるような報道で。ちゃまとしてはそれに対するカウンターも置いておきたいと思ったのが今回ブログの話題にした第一の動機でした。


というのも、今回の事件と全く同じようなことが起きたのが去年同じ奈良県で起きた『大淀病院事件』で、町立大淀病院で分娩中に意識不明に陥った妊婦(>後に脳内出血と判明)が、これに対処できる転送先を探すもやはり多くの病院から転送を拒否されて最終的に出産後死亡したという事件だったのですが。
これも、分娩に当たっていた大淀病院側の判断ミスとして大いにマスコミから病院側が叩かれた末、大淀病院では産科を廃止してしまいます。(結果奈良県南部の産科は消滅。)


僕がこの大淀病院事件を最初に知ったのは多分、TBSラジオ『ストリーム』で、第一報(幾多の病院に照会するも転送拒否の連続の末妊婦が死亡)といったもので司会の憤激に同調したような記憶があります。
しかし、何かの拍子で奈良の女性の意見(ブログ)として、『今回のような特殊な例の為に、他の普通に子供を産みたいと願う多くの母親が産む場を奪われるのは省みられないのか』という問いかけを見てハッとした記憶があります。(この『』はあくまで僕の記憶の中の発言のニュアンスなんで正確ではないです、もしこの表現で不快になる人とかいたらごめんなさい。)


そして、このことを調べてみると決して一概に医療側の対応ミス、とばかりは言えないことがわかってきました。そして、奈良県の産科医療がかなり危機的であることも。
こういうことは当然病院に対する攻撃キャンペーンを行っているマスコミではなく、ブログ等の意見をいろいろ見ていって自分で取捨選択するんですけどね。だから正義は我が手にありと言うつもりはないですけどあくまで私見ですけど、報道されてることだけが見方の全てではないことがわかる、それが今のネット時代なんだなぁとつくづく思います。


今回の事件については、僕なんかが生半可な知識をひけらかすより、ずっと知識のある方、このことを追ってらっしゃる方のサイトを見た方がよいと思いますので、改めてリンクを張っておきます。
【天漢日常】さん
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/
特に今日上げられたこのエントリをリンク。
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2007/08/94_980e.html
ポンコツ研究日記〜悩める産婦人科医のブログ〜】さん
http://ameblo.jp/y-gami/
【ある産婦人科医のひとりごと】さん
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/
【新小児科医のつぶやき】さん
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/



他にも探せばたくさんあると思うのですが、とりあえず自分が見てなるほどと思った方を紹介しておきます。